第2回:「運転能力を客観的に証明する方法」①客観的な運転スキル評価:運転適性検査

先日、警視庁主催の「個人四輪交通安全講習会」に参加してきました。この講習会では、体験走行以外にも模擬的な運転適性試験を受けることができます。短時間で指示事項を処理したり、記憶したりする内容で、私の場合ついつい力が入ってしまいましたが、普段通りでいることが重要だと感じました。肩の力を抜いて平常心で臨むのがコツかもしれません。
運転適性検査について
前回のブログでは、運転能力を客観的に証明する必要性について触れました。今日は、それを具体的に実現する「運転適性検査」について詳しくお話しします。運転適性検査は、高齢ドライバーや運転に不安を感じる方が、客観的なデータを取得するための手段として非常に有効です。
運転適性検査は、多少費用がかかるかもしれません。しかし、客観的な判断材料を持たずに感覚だけで議論を進めるのは、やや無責任かもしれません。検査を受けて得たデータは、家族との話し合いや自身の判断を強力に後押しする武器になります。運転を続けるか、免許を返納するかを冷静かつ確実に判断するためにも、地元で受けられる検査を調べて必ず活用してください。これは、安全な運転生活を実現するための最低限の行動だと思います。
運転適性検査のメリット
- 客観的な証拠を得られる
検査結果を数値として示すことで、家族や第三者に対して説得力のある説明が可能になります。 - 自分の課題を発見できる
反応速度や視覚機能の低下など、気づいていなかった課題を明らかにし、改善に役立てることができます。 - 免許返納の判断材料になる
検査結果が良ければ運転継続の理由に、課題が見つかれば返納のタイミングを考えるきっかけになります。
運転適性検査のデメリット
- 精神的な負担がある
期待していた結果が得られなかった場合、ショックを受けることがあります。 - 現実の運転状況を完全に反映しない
模擬的な状況での測定なので、実際の道路での運転スキルを完全に反映するわけではありません。 - 時間と費用がかかる
検査を受けるために事前予約が必要だったり、費用が負担になることもあります。
東京都内および全国での運転適性検査の実施場所
運転適性検査を受けるには、目的やタイミングに応じて適切な施設を選ぶ必要があります。以下は、主に利用可能な施設とその特徴です。
- 府中運転免許試験場、鮫洲運転免許試験場、江東運転免許試験場
免許更新時に、高齢ドライバーを対象とした「認知機能検査」を受けることができます。ただし、この検査は免許更新のタイミングでのみ実施されるもので、随時受けられるものではありません。 - 国土交通省 自動車総合安全情報サイトで紹介される施設
こちらのサイトでは、全国各地で運転適性診断を受けられる専門機関を紹介しています。地域ごとの情報を確認し、自分に最適な施設を選ぶことができます。 - (独)自動車事故対策機構(NASVA)
NASVAの公式サイトでは、運転適性診断を実施している全国の施設を検索できます。予約すれば、反射神経や判断力、視覚機能などを測定する診断を随時受けることが可能です。
費用について
運転適性検査の費用は、施設や検査内容によって異なります。以下に主な目安を示します:
- 府中、鮫洲、江東運転免許試験場(認知機能検査)
認知機能検査は免許更新手数料に含まれ、約2,000~3,000円程度。 - 国土交通省 自動車総合安全情報サイトで紹介される施設
提供される検査内容により異なりますが、数千円から数万円程度が一般的です。地域や検査内容に応じて費用が変動するため、事前の確認をおすすめします。 - (独)自動車事故対策機構(NASVA)
運転適性診断の費用は、診断内容に応じて5,000円~15,000円程度が目安です。公式サイトでの確認が確実です。
次回予告:ドライブレコーダーのデータ分析
次回は、「ドライブレコーダーのデータ分析」を活用して運転スキルを客観的に評価する方法について詳しく解説します。お楽しみに!