マニュアル車が高齢ドライバーを救う? 私の実験と発見

マニュアル車の操作イメージの図

10月8日のブログでオートマ車とマニュアル車についていろいろと考えてみました。私の自宅にある車はオートマ車ですが、正直言って、マニュアル車に乗らないとこの問題の本質が見えてこないと感じ、今日は実家に帰り、久しぶりに母が乗っていたマニュアル車に乗ってみることにしました。

ちなみに、母は80歳までずっとマニュアル車にこだわり続けていました。彼女曰く「オートマ車は怖い」と。免許を返納するその時まで、彼女の隣にはいつもマニュアル車がありました。今どき、レンタカーでもマニュアル車を探すのは大変ですが、実家にマニュアル車が残っているおかげで、思う存分実験ができるとは、正直ラッキーです。

母はアクセルの操作が正確で事故のリスクが少なかったかもしれませんが、実際のところ、ペンのキャップをはめられないほど遠近感が怪しくなり、耳も遠くなってきたため、車のクラクションや歩行者の接近に気づけないと判断し、免許返納を進めました。高齢ドライバーとしての彼女の姿を見て、自分でもマニュアル車に乗りながら、その影響についていろいろと考えました。

今日、久しぶりにマニュアル車を運転してみて、坂道発進が心配でしたが、体が覚えているもので、思ったよりも難なくできました。これなら、母のように長年マニュアル車に慣れている高齢ドライバーは、もっとスムーズに操作できるのかもしれません。

特に感じたのは、マニュアル車の発進での「半クラッチ」がポイントだということです。もしうまくいかないときは、私の場合、すぐにクラッチを踏み直す癖があります。この動作が習慣化しているおかげで、何か問題があればとりあえずクラッチを踏むことで、暴走を防げる可能性が高いと感じました。

また、マニュアル車を運転して改めて気づいたのは、エンジン音が重要な手がかりになっているということ。例えば、エンジン音が大きいのにスピードが出ていないときは、クラッチがうまくつながっていないとわかるし、逆に音が低すぎるときはエンジンがエンストしそうだと判断できます。この「音によるフィードバック」は、オートマ車にはない感覚で、安全運転に役立つものだと思いました。

一方で、今のハイブリッド車や電気自動車は非常に静かです。これは周囲の環境に配慮した良い点ではありますが、ドライバーにとっては、エンジン音がなくなった分、危険な兆候を見逃しやすくなるのではないか、とも感じました。特に耳が遠くなっている高齢ドライバーにとっては、これが大きなリスクになるのではないかと思います。

母のような高齢ドライバーが、車から聞こえる音やエンジンの感触を頼りに運転してきた背景を考えると、音の静かな車が高齢ドライバーにとっての事故要因のひとつになっている可能性もあります。エンジン音がない代わりに、異常を知らせる音が出る仕組みや、ドライバーが音を頼りにできる新しい技術が求められているのかもしれません。

とはいえ、マニュアル車に戻るのは現実的ではありません。車の操作が簡便化されすぎている現状を見直す必要があるかもしれません。車を前進させる際に何らかの操作を必要とする仕組みや、非常停止ボタンの全席導入など、安全性を高める工夫はまだまだ可能性があります。

このブログを読んで、同じように家族と免許返納で悩んでいる高齢ドライバーが、安全運転についてもう一度考えるきっかけになれば幸いです。

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