事故防止のポイントはドライバーの内なる声!「STEAM教育」導入が窮地を救う?!

運転中、隣に乗った妻から「ちょっとスピード出しすぎじゃない?」「運転中に、独り言が多くない?」なんて言われると、愛する妻でもついカチンとくる。こんな経験を持つドライバーは、私だけではないのではないでしょうか。同じように、免許更新の講習で警察の方から安全運転の注意を受けても、「そんなこと分かってる」と、どこか他人事のように捉えてしまいます。人は、外からの一方的な指示や注意に対して、時に反発したり、受け入れにくくなったりするものです。特に、長年培ってきた運転技術や経験に対する指摘は、自身の否定のように感じてしまうのかもしれません。
STEAM教育:能動的な学びが人を成長させる
最近、教育界で「STEAM教育」という言葉をよく耳にします。科学(Science)、技術(Technology)、工学(Engineering)、芸術(Arts)、数学(Mathematics)の5つの領域を統合的に学ぶ教育手法です。例えば、小学校のプログラミング教育では、子供たちが自らロボットを組み立て、プログラミングすることで、論理的思考力や問題解決能力を育んでいます。先生から一方的に知識を教え込まれるのではなく、生徒自身が課題を見つけ、考え、解決策を見出す。この能動的な学びは、受け身の学習よりも深く記憶に残り、実社会で役立つスキルを身につけることができます。「言われたことをやる」のではなく、「自ら考え、行動する」ことで、より深い学びと成長が得られる。これは、私たちも経験的に理解できることではないでしょうか。
運転継続計画(DCP):高齢ドライバーの内なる声を引き出す
私が提唱する運転継続計画(DCP)は、STEAM教育の考え方と近いものがあります。ドライバー自身が、自身の運転能力と向き合い、「運転を続けるために何が必要か」「どんな対策ができるか」を主体的に考えます。しかし、DCPには、STEAM教育にはない重要な要素があります。それは、「家族との合意形成」です。運転は、自分だけの問題ではありません。家族の安心も考慮する必要があります。よく言われることに、友達等がわからない点を教えてあげると、友達も助かるけど、教える自分自身も勉強になる、頭の整理になり、自分のためになる、という経験をされたこともあると思います。つまり、自分のためだけではなく、家族等相手のためにも役立つ、という観点もあることがポイントとなります。自身の運転能力を客観的に評価し、家族にそれらを説明することで、より安全な運転計画を立て、理解を得ることができます。
能動的な姿勢が、高齢化社会を元気にする
先日、子どもの中学校の卒業式に参加しました。私が学生だった頃とは違い、卒業式のプログラムは生徒たちが主体的に考え、作り上げていました。その卒業式は、感動的で、心に深く響くものでした。受動的に与えられたものよりも、能動的に作り上げたものの方が、人の心を動かす力を持つ。高齢ドライバーの運転も同じです。行政からの「免許返納」という声に耳を傾けるだけでなく、自ら積極的に考え、行動することで、より充実したカーライフを送ることができるはずです。「いつまで運転するか」という目標を自ら決める事で、アクティブな高齢者の増加に貢献できる。高齢化が進む日本社会において、高齢ドライバーが主体的に運転と向き合うことは、自身の尊厳を保つだけでなく、社会全体の活力にも繋がると信じています。