第1回:運転の継続を巡る充実度の違いが引き起こす課題

問題箇所を発見するイメージ図

免許返納を促したい家族にとって、高齢ドライバーとの対話は難しい課題です。運転継続を巡る話し合いが進まず、対立が深まるケースも少なくありません。免許返納を意識し、運転を継続するに至るまでには4つの段階があり、それぞれの段階で必要な支援やサポートの充実度は異なります。今回のブログでは、各段階における支援の充実度を数値化し、その差が生む課題について解説し、どのように家族が適切なサポートを提供できるかを考えます。

(※4つの段階について詳しくは、別のブログでご紹介していますので、リンクをご覧ください。)

充実度を数値化する理由

各段階の充実度を数値化することで、運転継続プロセス全体の中で特に弱い部分を見つけやすくなります。この評価は、次の3つの基準に基づいて行いました:

  1. 情報量や支援策の数: 提供される講習やトレーニングの数、啓発活動の充実度を評価。
  2. 対策の具体性と効果: 各段階での対策がどれだけ具体的で、実際に効果を発揮するかを評価。
  3. 負担の軽減度合い: 家族や高齢ドライバー自身の精神的な負担がどれだけ軽減されるかを評価。

各段階の充実度の数値と評価

免許返納の4つの段階において、充実度を次のように数値化しました。以下に、それぞれの段階の充実度とその根拠を示します。

段階充実度(0~100)根拠
第一期(意識する時期)80啓発活動や免許更新時の案内が豊富で、リスクを認識するきっかけが多い。
第二期(議論する時期)30家族間の対話をサポートする具体的な支援策が乏しく、感情的な対立が解決しにくい。
第三期(対策を考える時期)75試験対策や運転技術向上のための具体的なトレーニングが整っており、免許更新に向けた準備が可能。
第四期(運転を続ける時期)85安全運転を支援するためのサービスや機器が充実しており、運転生活をサポートする環境が整っている。

特に第二期(議論する時期)の充実度が低く、他の段階が充実していても、この段階が「キャズム」としてボトルネックになり、問題解決を阻害していることがわかります。

次回は、この第二期の充実度を向上させるための具体的な対策について詳しく見ていきます。

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