マニュアル車とiMTを巡る試行錯誤
先日、高齢ドライバーの事故防止に関するブログで、オートマ車とマニュアル車の安全性について触れました。その後、実家のマニュアル車を使って検証を行った体験も公開しましたが、そこで浮上したのが「iMT(インテリジェント・マニュアル・トランスミッション)」という技術の存在です。実家の車は一般的なマニュアル車ですが、iMTの特性が高齢ドライバーの事故防止に役立つのかを知りたくなり、調査を始めました。
調べてみると、iMTはトヨタのスポーツカータイプにのみ搭載される技術で、一般的なレンタカーや試乗車で体験することが極めて難しいことがわかりました。かつてサラリーマン時代に何度も利用したことがあるレンタカー事業者に連絡し、iMT搭載車が借りられるかどうかを調べてもらいましたが、マニュアル車自体がほとんど存在しないとの返事。次にトヨタのレンタカー会社に問い合わせても、東京23区内にはマニュアル車がないと言われ、試乗車を探してもiMT搭載の車は見つからず、首都圏近郊でも同様の結果でした。
今回の調査で、マニュアル車のシェアが1%程度にまで縮小している現実を改めて痛感しました。そして実家のマニュアル車が貴重であることを再認識し、動態保存をお願いしたものの、整備できる技術者が減りつつある現状を考えると、近いうちに手放す選択肢も考えざるを得ないかもしれません。
現実的な対策を模索する
iMTが高齢ドライバーの救世主となる可能性を期待しましたが、その技術を実際に体験できる機会の少なさから、マニュアル車の復活が解決策とは言い難いと感じています。マニュアル車を定期的に運転する機会を設けることも提案しようと考えましたが、実際にはそのような講習を受ける場が整備されておらず、現実的な選択肢ではありません。
そのため、対策としては、オートマ車に特化した新たな運転支援技術や、運転中のリスクを可視化するシステムの導入を検討すべきです。たとえば、車線維持支援や衝突被害軽減ブレーキなどの技術はすでに多くの車に搭載されていますが、高齢者の運転特性に合わせた細やかな調整が行われることで、さらに安全性が高まる可能性があります。
便利さの代償を受け入れる覚悟
私たちは便利さを享受する代わりに、失われるものもあるという事実を受け入れる必要があります。オートマ車の快適さに慣れてしまった結果、マニュアル車の運転技術が失われつつあるのは避けられません。しかし、その中でも事故を防ぐための新しい工夫や対策を考え続けることが重要です。
例えば、オートマ車を使用しているドライバー向けに、より効果的なリスク回避のトレーニングプログラムを提供することや、運転中の状態を可視化するインフォメーションシステムを活用して、安全意識を高める取り組みが考えられます。また、家族の協力も欠かせません。定期的に高齢ドライバーの運転技術を確認し、必要に応じて家族がリスクに気づいてサポートする体制を整えることも有効です。
知恵を絞って新たな選択肢を探る
今回の調査を通じて得た教訓は、現状のままマニュアル車の普及を期待するのは現実的ではないということです。それでも、高齢ドライバーが安全に運転を続けるための方策を模索する努力は無駄ではありません。オートマ車を前提にしながらも、最新技術を活用して安全性を高め、事故を防ぐためにできることはまだたくさんあります。技術に頼るだけでなく、人間の知恵を最大限に活用して、より良い選択肢を見つけ出すことが私たちの役割なのだと感じています。