第2回:ラストマイル自動走行
前回のシリーズでは、免許を継続しながら安全運転を支える施策についてお伝えしましたが、今回は免許返納後の新しい移動手段に焦点を当てたシリーズをお届けしています。初回は「道の駅等を拠点とした自動運転サービス」について解説しましたが、今回は「ラストマイル自動走行」をご紹介します。
取り組みの概要
「ラストマイル自動走行」とは、鉄道やバスなどの主要な公共交通機関と自宅や目的地をつなぐ短距離移動の課題を解決するために、自動運転車両を活用する取り組みです。特に、高齢者や公共交通が不便な地域に住む人々にとって、ラストマイルの移動は日常生活に直結する重要な課題です。
この取り組みでは、小型の自動運転車両が住宅街や商業エリア内を巡回し、鉄道駅やバス停から自宅まで、またはその逆の移動をサポートします。定期運行やオンデマンド運行といった柔軟な運行形態が特徴で、利用者のニーズに応じたサービス提供が可能です。
メリットと利用者の声
メリット
- 短距離移動の利便性向上
鉄道やバスの利用がより便利になり、移動全体の効率が向上します。 - 高齢者の移動負担軽減
歩く距離を短縮することで、高齢者や体力に不安がある人々の移動が楽になります。 - 地域の交通連携の促進
自動運転技術を活用することで、既存の公共交通機関との連携が強化されます。
利用者の声
- 「駅から自宅までの坂道が辛かったけれど、このサービスのおかげで助かっています。」(70代女性)
- 「バス停まで遠いのが難点だったけど、自動運転車がつないでくれるので便利です。」(80代男性)
課題やデメリット
課題
- 導入地域の限定性
技術的要件やコストの問題から、まだ全国的に普及しているわけではありません。 - 技術面の信頼性
狭い道路や歩行者が多いエリアでの運行において、障害物検知や安全性が課題とされています。 - 利用者教育の必要性
新しい技術を受け入れるための説明や利用者向けのトレーニングが不足している地域があります。
利用者の声
- 「小さい車両なので混み合う時間帯は少し不安。」(60代男性)
- 「技術が進んだらもっと安心して利用できると思います。」(50代女性)
今後の展望
ラストマイル自動走行は、高齢者をはじめとする地域住民の生活を大きく支える技術です。今後は、自動運転技術のさらなる進化やコスト削減が期待されています。また、全国各地で試験運行が進められており、より多くの人がこの便利な移動手段を利用できる未来が近づいています。
次回は「特定自動運行の許可制度の創設」について解説します。お楽しみに!