重要なのは「技術」か「頭脳」か?スポーツと運転における「考える力」の威力と効果

私は高校時代、当時流行りのドラマ等の影響もあり、ラグビー部に所属していました。その時の経験は、スポーツにおける「考える力」の重要性を学ぶ貴重な機会となりました。私は当初ラグビーは体力勝負だ、と勝手に思い込んでいました。しかし、顧問の先生から「ラグビーは頭脳プレー。頭が良くないと勝てない」と言われたことが、私の考え方を大きく変えました。
この教えを受けて、私たちは練習のやり方やお互いの考え方を意見し合うようになりました。
その結果の一つとして、試合中の「無駄な」掛け声を減らし、プレーに必要な情報だけを声に出すようにしました。試合中の掛け声が減った我々を見て、相手チームは最初冷やかしの声を上げていましたが、黙々と前に突進し、得点をあげていく我々を見て、最後は恐れを抱くようになりました。これらの経験から、スポーツは単なる肉体的な競技ではなく、常に頭を使い、状況を分析して行動することが求められることを学びました。
運転は「考える力」が試される場
このような観点は、日常生活や運転にも当てはまります。多くの人は、「運転=テクニック」と考えがちですが、それだけでは安全運転にはつながりません。運転中には、道路状況、気象条件、他の車両の動き、歩行者の動きなど、さまざまな要素を総合的に判断する必要があります。特に、高齢ドライバーにとっては、これらの判断力を維持し、適切に使うことが、安全運転の鍵となります。
「体を動かす系」のスポーツでは、確かに体力やテクニックが重要視されます。しかし、それだけでは勝利を掴むことはできません。例えば、サッカーでは、瞬時に最適なプレーを選択する判断力が求められますし、ゴルフではコースの状況を見極める戦略が必要になります。これらのスポーツでは、「考える力」が競技の成否を分ける要因となります。
「乗り物を操作する系」のスポーツでも、同じことが言えます。例えば、私が大学時代に乗っていたグライダーを操縦する際には、高度な操縦技術だけでなく、その時々の気象条件や周囲の状況を的確に把握し、冷静に判断する能力が求められます。これと同様に、車の運転でも、単にハンドルさばきやアクセルワークの技術だけではなく、周囲の変化を素早く察知し、適切に対応する能力が不可欠です。
運転に必要なのは「頭脳プレー」
スポーツや運転で結果を残すためには、「考える力」を養うことが不可欠です。体力やテクニックだけでなく、周囲の状況を把握し、どのように行動すべきかを常に「考える」ことが、勝利や安全運転につながります。
私たちドライバーが目指すべきは、安全確実な移動です。スピードや運転技術だけではなく、周囲の状況を冷静に見極め、適切に判断する能力こそが、「ハンドルを握る人に求められるプレー」と言えるでしょう。この意識を持つことで、安全運転が実現できるだけでなく、家族などの大切な人たちから信頼されるドライバーになれると思います。