高齢ドライバーが運転を続けるために 認知機能維持のための ”将棋のすゝめ”

高齢ドライバーが安全に運転を続けるためには、「認知→判断→行動」のプロセスが適切に機能していることが重要です。これらの能力を維持・向上させるためには、日頃からの訓練や仲間との交流、趣味を持つことが効果的とされています。以前のブログでは、カラオケが認知症予防に有効であることをご紹介しましたが、今回は「将棋」に焦点を当て、その効果について考えてみたいと思います。
将棋とは
将棋は、日本の伝統的なボードゲームで、二人のプレイヤーが交互に駒を動かし、相手の王将を詰ませることを目的とします。駒の種類や動かし方、戦略の多様性から、「頭脳の格闘技」とも称されます。プレイヤーは先を読み、戦略を練り、状況に応じて柔軟に対応する能力が求められます。
将棋が脳に与える影響
将棋を指す際には、以下のような脳の部位が活発に働きます。
- 前頭前野:
思考や判断、計画を司る部位で、戦略を立てる際に活性化されます。 - 頭頂葉:
空間認識や注意力に関与し、盤面の状況把握や駒の配置を理解する際に働きます。 - 側頭葉:
記憶や言語の処理を担当し、過去の対局経験や定石を思い出す際に使用されます。
これらの部位は、運転時にも重要な役割を果たします。例えば、前頭前野は運転中の判断や計画に、頭頂葉は空間認識や注意力に、側頭葉は過去の運転経験や交通ルールの記憶に関与しています。つまり、将棋を指すことでこれらの脳の部位を鍛えることができ、それが運転時の認知機能の維持・向上につながると考えられます。
将棋による認知症予防効果
将棋は、認知症予防にも効果があるとされています。実際に、将棋や囲碁などのボードゲームが認知機能の低下を防ぐ可能性があるとの研究も報告されています。 また、将棋は他者との交流を伴う活動であり、コミュニケーションを通じて社会的なつながりを維持することも、認知症予防に有効とされています。
将棋を通じた運転能力維持のための取り組み
将棋を通じて認知機能を維持し、運転能力を保つためには、以下のような取り組みが考えられます。
- 定期的な対局:
仲間と定期的に将棋を指すことで、継続的に脳を刺激し、認知機能の維持に役立ちます。 - 将棋教室への参加:
地域の将棋教室やサークルに参加することで、新たな人間関係を築き、社会的なつながりを広げることができます。 - オンライン対局の活用:
近くに対局相手がいない場合や外出が難しい場合は、インターネットを利用したオンライン対局も有効です。
まとめ
将棋は、脳のさまざまな部位を活性化し、認知機能の維持・向上に寄与するだけでなく、他者との交流を通じて社会的なつながりを保つことができます。これらの要素は、高齢ドライバーが安全に運転を続けるためのコンディション作りにも大いに役立つと考えられます。
実際に、私の地元千葉で将棋教室を営む友人を訪ね、教室に通う70~80歳代の方々にお会いすると、今でも車を乗りこなし、はつらつとした生活を送っておられました。年齢以上に若々しく見えたのは、もしかしたら、習慣化している将棋のおかげかもしれません。
私自身は将棋が得意ではありませんが、将棋以外にも頭を使うゲームやパズルは多く存在します。これらを日常生活に取り入れ、脳を積極的に使う習慣を持つことが、認知機能の維持・向上、ひいては安全な運転生活の継続につながるのではないでしょうか。
高齢ドライバーの皆さんが、将棋やその他の知的活動を通じて、これからも安全で充実したカーライフを送られることを願っています。