第2回:運転しない生活で要介護リスクを回避する方法とは?必要な運動量と活動量
前回のブログで、運転中止が要介護リスクの増加に関係していること、そしてその背景にある運転の複合的な刺激についてお話ししました。今回は、運転をやめた後でも、そのリスクを抑えるためにできる現実的な対策について解説します。
運転を補完するための「運動量」と「判断の場面」を日常生活に取り入れる
運転が提供する活動量や判断数を維持するため、日常生活に次のような工夫を取り入れることが効果的です。これにより、運転による複合的な刺激をある程度補完でき、心身の健康を保ちやすくなります。
- ウォーキングや軽いジョギング
- 運転時の軽い運動量を補うためには、毎日のウォーキングが有効です。40分程度のウォーキングで足腰を鍛え、外出することで視覚や聴覚への刺激も得られます。外の風景や人との交流もあるため、頭のリフレッシュにもつながります。
- 軽い筋トレやストレッチ
- 上半身の動きを補うには、簡単な筋トレやストレッチが効果的です。腕立てや腹筋、ストレッチを1日15分から20分行うことで、運転時の筋力維持や柔軟性をサポートします。
- 瞬時の判断力を鍛えるスポーツやゲーム
- テニスやバドミントンなどのスポーツは、瞬時の判断が必要なため運転に似た刺激が得られます。また、チェスやパズルといった知的活動も脳の活性化に役立ち、判断力を維持するために有効です。
- 定期的な外出とコミュニティ参加
- 運転をしていた頃と同様に外出機会を増やし、地域のコミュニティ活動や趣味のサークルに参加することで、社会的なつながりを保つことができます。これにより、孤立感を防ぎ、心理的な健康も保てます。
最後に:運転に代わる刺激の重要性とリスクの緩和
これらの活動を日常生活に取り入れることで、運転で得られる刺激の代替となり、要介護リスクを抑える効果が期待できます。しかし、すべてのリスクを完全に回避できるわけではなく、あくまでも「リスクの緩和」として考えることが重要です。健康状態や生活状況に合わせて無理なく続けることで、高齢ドライバーも安心して運転をやめた後の生活を楽しむことができるでしょう。
出典:
- 国立長寿医療研究センター「運転と高齢者の健康に関する研究」