運転で「所変われば品変わる」は危険!なるほど!地域別”ご当地ルール”と法令遵守

最近SNSにアップされている動画を見て「それはズルでは?」と感じるものが時々あります。なぜそんなことをするんだろう?、と考えていた矢先に、地域ごとの運転に関するローカル(ご当地)ルールがある、という興味深い話を書籍で知ったので、ご紹介させていただきます。

仙台での学生時代と運転の思い出

約40年前、私は仙台で学生時代を過ごし、大学2年生からは車で通学していました。当時、周りの友人たちも親の車を借りて通学している人が多く、私もその一人でした。そんなある日、友人から「仙台の人は運転が荒い人が多いよね」と言われたことがあります。当時の宮城県警察が「マナーアップ・ザ・みやぎ」というキャンペーンスローガンを掲げていたことからも、運転マナーの悪さが問題になっていたようです。40年も前の話なので、私もヒヤッとした経験があったかもしれませんが、今となっては記憶も曖昧です。しかし、その時、「地域によって運転に特徴があるんだな」と感じたことは覚えています。

話題のローカルルール

昨日、このブログでご紹介した、煽り運転に関する書籍(※)を読んでいたところ、地域ごとの運転に関するローカルルールが紹介されていました。例えば、

  • 「名古屋走り」(愛知県):
    • 「黄色まだまだ赤勝負」という言葉があり、黄色信号や赤信号に変わった直後でも交差点に進入する。
    • 交差点で信号が青に変わると同時に急発進し、対向車よりも先に右折する。
    • 右折レーンから直進レーンに割り込む「右折フェイント」。
  • 「播磨道交法」(兵庫県):
    • 交差点では、先に右折し、進入した車が優先。左折車がいれば一緒に右折する。
    • 交差点の横断歩道に歩行者がいても、スペースがあればすり抜ける。
    • 信号のない横断歩道に人がいても無視、車線変更でスペースがあれば割り込み可。
    • ウインカーは曲がると同時に出す。
    • バス停から車線に戻るバスを優先させない。前に人がいたらクラクションを鳴らす。
  • 「伊予の早曲がり」(愛媛県):
    • 信号が青になると、対向車が発進する前に右折する。
    • 「伊予の早曲がり禁止」の標識がある交差点も存在する。
  • 「松本走り」(長野県):
    • 対向する左折車、直進車より先に右折して交差点を通過する。
    • 脇道から右折進入し、合流する道路上で片側車線の流れを塞ぐ形で右折待ちをする。

これらのローカルルールが存在するため、あたかもそれが正しい運転マナーであるかのようにふるまっているドライバーを見かけるそうです。

道路交通法から見たローカルルール

これらのローカルルールを行った場合、以下の道路交通法違反に該当する可能性が高い、とのことです。

  • 信号無視(道路交通法第7条)
  • 通行区分違反(道路交通法第35条)
  • 交差点安全進行義務違反(道路交通法第37条)

これらの違反をすると、違反点数2点、反則金は普通車で9,000円です。

注意喚起と安全運転の重要性

「所変われば品変わる」や「郷に入っては郷に従え」ということわざがありますが、運転に関しては、ローカルルールに従うことが事故の危険を招くことがあります。特に、旅行や仕事などで見知らぬ土地を訪れる際は、その地域の運転習慣に注意が必要です。今回ご紹介した地域ごとの運転に関するローカルルールは、道路交通法に違反する可能性があり、安全運転を妨げる要因にもなります。見知らぬ土地を訪れる際は、その地域の運転習慣に注意し、もし、自分の運転に対して地元のドライバーからクラクションを鳴らされたりしても、「ローカルルールを知らなから仕方ないでしょ」と冷静に受け止め、法令に順守した、安全運転を心がけたいものです。

※参考資料:
「あおり運転 被害者、加害者にならないためのパーフェクトガイド」 菰田潔著 彩流社

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