高齢ドライバーの「運転寿命」を支える新提案!京丹後市で探る安全運転の「内なる声」

交通安全フェアのポスター

来る10月25日(土)12:00から15:00、京都府京丹後市にあるアグリセンター大宮にて、「運転寿命は健康寿命 より長く、より安全に!」をテーマにした「交通安全フェアin京丹後」が開催されます。

私たちはこの度「ドラともー運転は長い友だち。安全運転と共に。」をスローガンに掲げる京都府交通安全協会さまのご賛同をいただき、高齢ドライバーの皆様が安全に運転を続けられるよう支援する活動の一環として、本イベントに参加させていただくことになりました。

当日のコンテンツの一つとして、私たちはワークショップを開催します。 従来の「安全運転を心がけましょう」といった、やや精神論や「神頼み」に近い啓発から一歩踏み出すため、私たちは高齢ドライバーの皆様ご自身の「内なる声」に耳を傾け、運転をする「内面的な目的や目標」を発見するお手伝いをしたいと考えています。

この目的や目標を発見できると、人間はそれを達成しようとする強い動機が生まれます。そして、その達成までの長い道のりを継続する前提が「安全運転」となります。これが、安全意識を現状からレベルアップさせる「自発的な動機」になると確信しています。

この時に使用するのが私たちが開発した「3Dカード(Driver’s Desire Discover Cards)」です。このカードを通じて、参加者一人ひとりが「自分が運転で達成したい目的とは何か」「運転を続けるときの目標は何か」という問いの答えを見つけ出し、納得感を持って安全運転に取り組むきっかけになると考えています。

今回参加の経緯

現在、高齢ドライバーによる痛ましい事故の報道が増えるにつれ、世論は「運転はリスクでしかない」「即刻、免許返納すべき」という声が大きくなっているのが現実です。しかし、私たちは高齢ドライバーの多くが、免許返納が困難な事情を抱えているという厳然たる事実を、無視できないと考えています。

都心部とは異なり、京丹後市のような地域では、電車やバスが頻繁に運行しているわけではない、と伺っています。自動車がなければ、日々の買い物も、命に関わる通院もままなりません。自動車なしの生活は「まったく考えられない」という方々が大勢いるのだと思います。「高齢ドライバーの運転は危険だから免許返納が必要」という論理は理解できます。しかし、裏を返せば、「高齢ドライバーの運転が安全であれば、免許返納する必要はない」とも言えるはずです。

私たちはこの「安全運転継続支援」という考え方を関係各所に説明して回りましたが、当初は「高齢者に運転を続けさせるのはリスクを助長するようなものだ」という、協力に消極的な反応が数多くありました。しかし、最近になって「免許返納だけでは高齢ドライバーの問題は解消できない」と気づき始めたという声も聞くようになり、世の中の流れが変わり始めたことを肌で感じはじめていました。

そんな中「運転は長い友だち、安全運転と共に」を合言葉に「ドラとも」活動を展開する京都府交通安全協会様と出会い、私たちの事業にご賛同いただけたことは、大きな転機となりました。アポイントの即答、そしてイベント参加の許可をいただいたことは、私たちが現状を変えたいという強い願いが結実した瞬間だったと考えています。

「3Dカード」が持つ8つの特徴

私たちは、高齢ドライバーの皆様の安全運転を促すには、家族や外部からのアドバイス等ではなく、ご本人自身の運転を続けたいと考える「マインド」の強化が最も重要だと考えています。このマインドを育てる第一歩として開発された支援ツール「3Dカード」は、以下の8つの特徴を持っています。

「3Dカード」8つの特徴
  1. 自身の「内なる声」に耳を傾けられる
    運転に自信を持つ高齢ドライバーは他人の意見に耳を貸さない傾向があるからこそ、自分の心に素直に従い、納得のいく結果を残します。
  2. 漠然とした人の内面を明確化・明文化できる
    運転の「内面的な目的や目標」は普段意識されることがありません。しかし、それを明確化することで、周囲にわかりやすく説明できるようになり、理解を得やすくなります。
  3. 究極の選択で潜在的な価値観を発見できる
    単に多くの選択肢から選ぶのではなく、「究極の選択」を繰り返すプロセスを導入することで、表層的な判断を避け、深層心理に深く働きかけた結果を導き出します。
  4. 一人でもグループでもマイペースで使用できる
    厳格なルールがあるわけではなく、好きな時間に自由なスタイルにアレンジしながら、自分との対話を楽しむように使用できます。
  5. デジタル機器が苦手な人でも簡単に活用できる
    ITリテラシーが高くない方でも直感的に使えるよう、カードというアナログな手段にこだわりました。運転直前の隙間時間でも、目的や目標の達成を考慮した安全運転の意識を新たにすることができます。
  6. 直感的にカードの入れ替え等の操作ができる
    究極の選択を考える際に、直感的に考えながらカードの順番を自由に入れ替えて考えられるよう、操作性も配慮しています。
  7. 運転目的・目標を周囲に共有することができる
    発見された目的・目標は明文化されるため、その内容を家族や友人にも伝えやすくなり、その達成に向けた協力も得やすくなります。
  8. 応用範囲が広く、様々な問題解決に応用できる
    このカードの発想は、人間の深層意識を掘り起こすのに有効な手段であり、マインド強化を図るあらゆる取り組みに応用が可能です。

持続可能な安全運転支援の実現に向けて

今回、生まれて初めて京丹後市にお邪魔することになります。例年多くの方が訪れるイベントだとお聞きしており、これは「安全に運転寿命を延ばしたい」というニーズがこの地域で極めて高いことの表れだと感じています。都市部では想像もつかないほど自動車に頼らざるを得ない地域に身を置き、様々な人との交流を通してこの問題の深刻さを肌で感じることこそが、今回の私たちの最大の目的の一つです。

私たちは、ここで得た現場第一線のリアルな声を大切にし、「高齢ドライバー問題に直面する現場の現状をリアルに語れる人物」になりたいと考えています。そして、そのリアルな状況から、どのような対処・施策が必要なのかを訴えられる人物へと成長していきたいと考えています。その活動の先には、データに基づいた客観的な視点から、現在の高齢ドライバー事故対策のあり方を変える必要性を示唆できるようになることを目指しています。

当日は安全に運転を続けたいという「答え」は、高齢ドライバーの皆様ご自身の中にある、私たちは、その答えを「発見するお手伝い」をさせていただく、という気持ちで臨みたいと考えています。どれだけ多くの方と知り合い、どれだけ多くの方に「3Dカード」を使ってもらい、どれだけ多くの方が運転の「内的目的」を発見できるか。その発見がきっかけとなって、どれだけ多くの方が安全に、喜びを持って運転を続けられるか。この希望を実現していくことこそが、この事業を行う最大の醍醐味だと感じています。私たちは、この京丹後での一歩を、持続可能な安全運転支援の実現に向けた、大きな転換点としたいと考えています。

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