「微力だけど、無力ではない」:高齢ドライバーと家族のために道を切り開く挑戦

微力だけど無力ではない、の石碑

今年、ノーベル平和賞に被団協が選ばれ、その場である女子学生が語った「微力だけど、無力ではない」という言葉が心に強く響きました。私も5月に長崎を訪れた際、原爆の傷跡が残る場所を訪ね、「微力だけど、無力ではない」と刻まれた石碑を目にし、揺さぶられるような衝動を覚えました。あの言葉は、私の中に小さな火種ではなく、確固たる決意を生み出しました。

大きな課題に対し、私たち一人ひとりの力は確かに小さいかもしれません。しかし、免許返納の問題という大きな壁を前に立ちすくむのではなく、敢えて挑むことで風穴を開けたい。そうすることで、少しでも前進できるのではないかと信じています。

高齢ドライバーの運転問題に私が取り組むようになったのは、雪道でタイヤチェーンが外れて命の危機を感じた経験や、池袋の悲惨な事故、母の免許返納を見届けたことがきっかけです。これらを経て、高齢ドライバーの課題が、他人事ではない、私たち全員の問題であると痛感しました。

運転免許の返納や継続について、高齢ドライバーと家族が納得できる選択を見つけるサポートが求められています。家庭内の問題として見過ごされがちな課題だからこそ、誰かがその壁に挑み、風穴を開けることが必要だと考えています。納得感を欠いたまま免許返納を強要されることや、危険な運転を放置する状況が続けば、またあのような悲劇が繰り返されるかもしれません。

もちろん、社会の大きな問題を一挙に解決することは容易ではありません。しかし、「微力だけど、無力ではない」という決意を胸に、たとえ小さな一歩でも、踏み出し続けることで状況を変えられると信じています。間違っても軌道修正すればいい、立ち止まらず前進する姿勢が、未来への希望を生むと確信しています。

私たちは今後も挑戦を続けます。高齢ドライバーとその家族が安心して納得できる選択肢を見つけるため、一歩ずつでも進んでいきたい。どうか私たちと一緒に、この壁を越え、新たな道を切り開いていきましょう。

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