高齢ドライバー 「自信」の実態

HOME » ブログ » 高齢ドライバー向け » 高齢ドライバー 「自信」の実態

みなさんは高齢ドライバーには「根拠のない自信」がある、という話をきいたことがありませんか。私たちは感覚的にそれを感じていて、納得感があるのですが、それを裏付けるエビデンス(証拠)がないと説得力がないなあ、と感じます。そこで、改めて調べてみました。(関連する「自己効力感」に関するブログはこちら

そこで見つけました。「MS&ADインターリスク総研株式会社」さまのサイト(詳細は以下のサイトをご確認ください)です。
別紙1:「高齢者の自動車運転に関する実態と意識」(2021年)についての主な調査結果(抜粋) | トピックス | MS&ADインターリスク総研株式会社 (irric.co.jp)

内容を抜粋してご紹介すると、「ご自身の運転には自信がありますか」という問いに対して、

・65歳以上の回答者の「かなり自信がある」と「ある程度自信がある」の合計は50%超。
・「80歳以上」の「かなり自信がある」の回答の割合は全年代で最も高い17.0%。
・対照的に「自信はない(多少の不安がある)」とする回答は年代が上がるにつれ低下傾向。

との情報が得られました。つまり、高齢になればなるほど、自分の運転スキルを高く評価する傾向があることがわかります。

ちなみに、私たちでも独自に高齢ドライバーの意識に関するアンケート調査をしたことがあります(2025年9月19日、26日)。その結果得られた結果は以下の通りです(65歳以上総数32名)。

・運転に自信あり 18名(56%)
・運転に自信なし 2名(6%)
・その他(普通等)12名(38%)

この結果は、MS&ADインターリスク総研株式会社さまとは調査方法が異なり、母数も少ないことから、単純な比較ができないとは思いますが、概ね同じような傾向が確認できたのではないか、と考えています。大手機関の調査と私たちの身近な調査結果が一致している点は、非常に興味深い事実です。

また、「直近3年以内の運転で、ご自身の不注意・過失によって「ヒヤリ・ハット」 を経験しましたか」という問いに対して、

・全体では、ヒヤリ・ハット経験が「ほとんどない」の回答は17.1%。
・年代別に見ると「80歳以上」の「ほとんどない」の回答は23.0%と最も高い。
・「20~29歳」の「よくある」の回答は7.3%と全年代で最も高い。
・「60~64歳」から年代が上がるにつれ「経験なし」が増加する傾向。
・75歳以上の回答者のうち、58.8%はヒヤリ・ハットの経験がなし。

との情報が得られました。

この結果が高齢ドライバーのどんな考え方や理由に基づくものなのか、という考察はこの資料にはありませんでしたが、一つの仮説として「自分のミスに気づく力(メタ認知能力)」の変化や、長年の経験による「慣れ」が、ヒヤリとする場面を「大したことではない」と処理させている可能性が考えられます。どんなことでも長く携わっていると経験値が増えてその道のプロの境地に達するのは当たり前だと思いますし、その気持ちは理解できます。

それだけになかなか周囲も「ベテラン」に対して何か感じることがあっても意見を言いづらくなりますし、当の本人は聞く耳を持たなくなる傾向になってしまうかもしれません。しかし、周囲の人はそんな特徴をしっかり理解して、「否定」ではなく「敬意を持った提案」へとアプローチを工夫する必要があると思います。

そして、高齢ドライバー側は真のプロフェッショナルとしてプロらしく行動すること、例えば自分自身の心の声や体調などと相談し、不足しているものがあれば安全運転支援技術(サポカー)などで補う、引き際を決める判断軸をあらかじめ決めておく、などの行為が必要なのだと思います。プロがプロらしく、自身の限界をわきまえた上で振舞う瞬間が、周囲から見て一番「輝いている」と思います。私もそんな人生を送りたい、と心から願っています。

類似投稿