ベテランドライバーの落とし穴? 自信が招く危険を克服する方法は・・・スマホアプリ!?

運転の診断をイメージする図

自分の運転について、家族や友人と言えども注文をつけられることは嫌なものです。でも、年齢が増すにしたがって、自分の運転に自信を持つ傾向がある、という情報を聞いて、私だけではなく、他の人も同じなんだな、と妙に安心したことがあります。しかし、これが自己流の運転を生み、物事を都合よく解釈するような、わがままな行動を助長することになっているとしたら、この問題を放置することは非常に危険、と言わざるを得ません。

プロのアドバイスが得られる安全運転管理者制度

運転に関しては、あまり運転をしない、また詳しくない人から注文をつけられるのは個人的に抵抗感を感じます。しかし、その道のプロやしっかり訓練を受けた人から、コメントをされることは納得感もあり、すんなり自分の耳に入ります。サラリーマン時代に、一度だけ一定数の車両を持つ組織の管理者をしたことがあります。道路交通法には「安全運転管理者制度」というものがあり、5台以上の車両を所有している組織では安全運転管理者を選任しなければならないことになっています。そこで、私の組織でも安全運転管理者を選任し、その方に講習会に行ってもらいました。講習会から帰ってきた安全運転管理者の方に感想を聞くと、とても勉強になり、参考になったとのことでした。

安全運転管理者からの運転診断結果

車両を管理している組織としては、社員の業務中における「安全運転」が一番の目標であり、それを徹底させるために、朝礼等の機会を使って定期的に安全講話を実施するなど、常に細心の注意を払って、事故の防止に努めました。その旗振り役である自分自身が事故を起こしては示しがつかない、ということで、私が車で現場に向かう際に、講習会を終えた安全運転管理者にも同乗してもらって、助手席から私の運転を診断してもらったことがあります。学生時代に免許を取得して自分の車で通学し、社会人になってからも、自分の車以外に業務で使用する特殊車両(バケット車、トラック、穴建車等)も乗りこなしてきた、という自負から、さぞかしお褒めのことばを頂けるもの、と期待していましたが、フィードバック結果はなかなか厳しいものでした。細かい内容は忘れてしまいましたが、今でも印象に残っているのが、「バスを追い越す際に加速している。それは絶対にダメ。」と言われたことです。

自己流の解釈とアプリを使った客観的な指摘

確かに、バスを降り、バスの前方から道路を横断しようと歩行者がいるかもしれないのは事実です。ですから、私が停車しているバスを追い抜くときは、必ずバス前方の下側部分を見て、歩行者の足がないか、を常に確認するようにしています。

私がバスを追い抜くときに加速するのは、止まっているバスを追い抜くときに反対車線にはみ出すので、素早く移動しないと反対車線の車と正面衝突してしまう、と考えてのことです。だからバスの前方を歩いている歩行者がいないかを確認しながら、素早くバスを追い抜いて元の車線に戻る、それが一番事故を防ぐことになる、と考えたのですがそれは間違いだったようです。

後から考えれば、確かに指摘内容はもっともです。なぜこのような勝手な論理が自分の中に生まれてしまったのだろう、と考え、ちょっと前に自動車学校を卒業した姪っ子からいただいた「学科教本」を見直してみました。

そこで判明したのは、「追い越しの運転手順」を説明するページの記述内容を私が誤解していたかもしれない、ということでした。具体的には、『右側に方向指示器を出す→約3秒後、さらに安全を確認して最高速度の制限内で加速しながら進路をゆるやかに右にとり、前の車の右側を安全な間隔を保ちながら通過します』と記述されていました。この「加速しながら」という記述をバスの場合も、と誤解したのかもしれません。

なお、別のページには「危険予測の重要性」に関する記述もあり、そこには『バスの前面から歩行者が飛び出してくるかもしれませんので、危険に備えるために「速度を落とす」』との記述がしっかりありました。

安全運転管理者のアドバイスをきかっけに、スピードを出してバスを追い抜く行為はやめ、対向車との距離を慎重に見極めて、スピードを上げてバスを追い抜かなければならない状況なら無理をして追い抜かない、という運転を心がけるようになりました。

私は意見を言ってくれる相手を見て態度を変える、という行為は好きではありません。しかし、ある意味ドライバーが持つ性分、と考えてこれを無理に治そうとはせず、それでもアドバイスしてくれているうちが花、と考えて、これからはしっかり周囲の意見を聞いていきたいと思います。

なお、最近気づいたのが、人以外から言われる意見やアドバイスはそれほど抵抗感を感じない、ということ。一例としては、カーナビや損害保険会社が提供しているスマホアプリの運転診断結果はすんなり聞き入れることができます。それは人だと主観が入って、その人の「意見」という要素が多分に含まれるのに、スマホアプリだと客観性が高く、事実に基づき、冷静に指摘してくれている、と感じるからだと思います。

そのスマホアプリでも、時には「え?」と思うこともあります。例えば、アイドリングストップ機能がない車を運転しているので、その分の点数が低いのはどうか、などです。それでも比較的意見を聞き入れやすい、という印象があるので、いちいちスケジュール調整をしなくても、いつでも一緒に車に乗ってくれて、文句も言わずに運転の診断をしてくれる頼もしい相棒、という感じで活用するのもいいのではないか、と感じます。

いずれにしても、私自身にも運転に関する「相当のクセ」があり、それらを克服した先には「安全運転」という未来が待っていると思います。引き続き運転に自信を持ちながらも治すところは治す、という姿勢でこれからも安全運転を続けたいと考えています。

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