50代必見!あなたは大丈夫?今から始める「運転寿命」を延ばす術

免許返納は他人事ではない
「高齢ドライバーと家族の対立」という話題は、ニュースでも頻繁に取り上げられています。家族が「もう運転をやめてほしい」と思う一方で、高齢ドライバー本人は「まだ大丈夫だ」と主張する。この対立は多くの家庭で起こっています。
しかし、現在は家族の側にいる私たちも、いずれは高齢ドライバーになります。「免許返納を促す側」にいる今は、問題を冷静に見ていられるかもしれませんが、やがて「返納を迫られる側」になったとき、果たしてすんなり受け入れられるでしょうか。
私自身も50代に入り、「自分が運転を続けられる限界はどこなのか?」を考えるようになりました。仕事柄、75歳以上の高齢ドライバーに義務付けられる「認知機能検査」や「高齢者講習」がどんなものなのか、自分自身でも是非体験してみたいと思っています。そこで、自分の免許返納のタイミングは80歳になる直前!と考えています。
とはいえ、そのためには「運転に支障がない状態を維持すること」が不可欠です。そこで、何か参考になるものはないかと調べたところ、以下の2冊の書籍に出会いました。
- 『運転寿命を延ばす 50代からの安全運転の心得』(時田学、幻冬舎、2019年)
- 『50代からの「運転脳」アップ50日ドリル』(加藤俊徳 監修、講談社、2019年)
どちらの本も「50代から」、そして「運転寿命を延ばす」ことにフォーカスしており、自分のニーズにぴったりだと感じました。
50代から対策? ちょっと早すぎない?
この2冊を読んで、なるほど、50代のうちから手を打ったほうがいいと感じました。運転を長く続けるためには、今から準備を始めることが大切です。
だからこそ、50代のみなさんには、今から免許返納を意識し、そのための準備を始めてほしいと思います。しかし、「なぜ50代からなのか?」と疑問に思う方もいるかもしれません。そこで、改めて調べてみると、50代から対策を始めることには様々な理由があることがわかりました。
なぜ50代から準備が必要なのか?
1. 50代から「免許返納を考え始める人」が増える
DIME(小学館)の調査によると、
「返納について考えたことがある割合が高くなっている。60代以上は、50代よりも14ポイント高い29%で、およそ3人に1人が返納について考えたことがあるようだ。」
(出典:DIME(小学館))
つまり、**50代は「免許返納を意識し始める時期」**なのです。漠然と「いつかは返納しないといけないな」と考え始めるのが50代。そこから具体的に準備を始めることで、スムーズな対応が可能になります。
2. 50代から身体機能の低下が始まる
東京海上日動火災保険の資料によると、
「50歳代のドライバーは、眼が見えづらくなり、体力が落ちて疲れやすくなっていることを認識し、無理に運転すれば注意力が散漫になって、的確な判断ができずに事故を起こす危険性が高くなる」
(出典:東京海上日動火災保険)
つまり、**「運転に支障が出てから対策を始める」のではなく、「支障が出る前に準備をする」**のが重要です。
3. 運転技能の向上が事故リスクを低減する
運転には、視覚や判断力だけでなく、瞬時に適切な操作を行う能力も求められます。そのため、運転技術を維持・向上させる取り組みが事故防止につながることが研究で示されています。国立長寿医療研究センターの研究によると、
「非常に有名な研究としては、高齢者ドライバーに記憶トレーニング、推理トレーニング、情報処理トレーニングを行う群と何もしない群の4群に分かれて検証したところ、推理トレーニングや情報処理トレーニングをした群は、しなかった群に比べて事故を起こす確率が約半分に減ったというものがあります。」
(出典:RIETI(独立行政法人経済産業研究所))
この結果は、運転能力を維持・向上させるための取り組みが、実際に事故防止に貢献する可能性を示唆しています。つまり、運転を続けるためには、トレーニングを意識的に取り入れることが大切なのです。
50代のうちに準備を始めよう
50代の私たちは、今は「免許返納をさせる側」でも、いずれ「させられる側」になります。
アフリカのことわざに「木を植えるのに最適な時期は20年前、次に良いのは今である」というのがあるそうです。これは、「何かを始めるのに最適な時期はずっと前だったが、今すぐ始めることが次に良い選択である」という意味を持ちます。免許返納に向けた準備も同じです。「まだ早い」と先延ばしにしてしまうと、いざという時に後悔するかもしれません。
だからこそ、「いつかは自分が免許返納する」という覚悟と対策を今から始めるべきです。50代のうちに準備をすることで、免許返納問題に振り回されずに済みます。「まだ早い」と思うのではなく、「今がちょうどいい」。今のうちから一緒に頑張りましょう!