高齢ドライバーの運転寿命延伸という希望を実現する「運転継続計画」 その作成のコツを伝授!

目標達成に向けた計画作成の大切さを訴えるイメージ図

高齢ドライバーの運転寿命延伸という視点とその現実

私たちは高齢ドライバーが長年培ってきた運転技術を駆使しながら、自動車による移動の自由を少しでも維持できるよう支援する事業に心血を注いでいます。しかしながら、現実は厳しく、高齢ドライバーが関与する交通事故が連日のように報道され、社会全体として高齢ドライバーの免許返納を求める声が日増しに高まっています。

このような状況を受け、免許返納をサポートする動きが関係各事業者を中心に広がり、強まっているのも事実です。その意味では、高齢ドライバーの運転寿命を延伸し、運転の継続を支援するという私たちの事業は、社会の主流となっている考え方とは異なる、いわばマイノリティーに属する取り組みと言えるかもしれません。

安全対策を講じることで見えてくる希望:「運転継続計画(DCP)」

しかし、私たちは決して諦めていません。安全を維持するための具体的な「対策」をしっかりと実施さえすれば、高齢ドライバーの「運転寿命を延ばしたい」「運転を続けたい」という切実な希望は必ずや叶えられると確信しています。その対策こそが、私たちが提唱する「運転継続計画(DCP)」です。

これは、単に運転を続けられるようにただただ神様に願う、という非科学的なアプローチではありません。運転を続けたい、という明確な目標を掲げ、その目標を達成するために、日々の運転における注意点や、知識・能力・体力の維持や向上の対策、定期的な健康チェックなどを具体的に計画し、着実に実行していくものです。運転寿命延ばし、これからも運転を継続したいという希望と、安全な運転の実現という、一見すると相反するこの二つの要素を、同時に達成することを目指しています。

「今更計画?」ではなく「だからこそ計画」。目標実現への羅針盤

高齢ドライバーの方々の中には、「長年運転してきたのに、今更計画を立てる必要があるのか?」「計画を作らないと運転できないのか?」といった疑問を持たれる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、残念ながら、私たちの答えは「YES」です。これからも自動車の運転を安全に、そして長く続けていくためには、そのための計画が不可欠だと考えています。

なぜなら、計画とは、私たちが「こうありたい」という将来の目標を定め、その目標を達成するために「誰が」「いつまでに」「何を」「どこで」「どのように」行うのかを具体的に決めるプロセスが安全運転を続ける上で不可欠だから、と考えているからです。やるべきことを計画の中に示すことは、行動へのモチベーションを高め、「実行」へと導く大きな要因となります。計画を立てる意義は大きく、目標の実現度を高めるだけでなく、ご家族など関係者との間に共通の認識を醸成し、計画と実績のギャップを把握することで、進捗を管理することも可能になります。

また、将来の目標を事前に決めることで、その後のあらゆるステップが確実に効率化されます。「計画をして臨むのとそうでないのとでは雲泥の差」があり、「将来の行動計画を事前に決めることでその後のあらゆるステップが確実に効率化される」のです。

心を動かす計画を。実現への具体的なステップ

運転を継続したいと強く思うならば、まずはその思いを具体的な計画に落とし込む必要があります。その上で、計画を立てるにあたっての心構えをいくつかご紹介したいと思います。

まず、強く「こうありたい」と思い続けること。目標を早くから明確に持っていると、人の意識を明確に方向付け、どのように進めれば達成できるかという手法や手段を考えさせる力があり、行動を促進して、達成率を高める効果があるとされています(「目標設定理論」というそうです)。実際に、運転寿命が長く続いている方の中には、「目標を紙に書いて壁に貼り、毎日繰り返し眺めて声に出して読み上げた」り、「目標を紙に書いて常に持ち歩き、毎日何度も眺めた」という方もいらっしゃいます。

また、目標は短い肯定文で表現することがポイントです。計画を立てる際には、5W2H(Why/What/Who/Where/When/How/How much)のフレームワークを活用するのが賢明です。特に、Who(誰が)、When(いつ)、What(何を)を明確にすることが重要です。計画を決める際は、家族などの関係者全員を巻き込み、納得いくまで議論と検討を重ね、皆の合意が得られた計画にすることが理想です。

そして、計画を作るときに心してほしいのは、「見る人に感動を与えられるような計画を書く」ということです。ご自身の思い、信念を100%訴えることが大切であり、大事なのは計画の中身そのものです。見る人の立場に立って、伝えたいことを簡潔かつ要領よくまとめましょう。これまでのご自身の経歴や能力と照らし合わせて、強みは何かを探ることも、計画を具体的にする上で重要です。

運転寿命を延ばすことが、ご家族の負担軽減にもつながり、高齢ドライバご自身の希望を叶えることに繋がるのであれば、それはまさに本望と言えるでしょう。これができるのであれば、「やる気」を持って計画に取り組むことができるはずです。

最初からうまくいくとは限りませんが、計画は、運転に関する岐路に立った時に道を照らす灯台のような役割も果たします。「七転び八起き」の精神で、「なんでもやってみなはれ やらなわからしまへんで」というサントリー創業者 鳥井信治郎の言葉も胸に、まずは一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

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