「第三期」を見据えて:認知機能検査から見た運転継続と家族の合意形成の重要性

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高齢ドライバーが勉強している風景の図

高齢ドライバーとの交流から感じた「運転と活力」の相関

先日、75歳以上の高齢ドライバーが集まる講習会に参加する機会がありました。参加者の平均年齢は約76歳と高めですが、普段から自らハンドルを握り、社会と繋がり続けているせいか、皆さんとても活力に満ちており、歩行も会話もスムーズでした。「車を使わなくなると一気に老け込む」という説がありますが、お元気な姿を拝見し、改めて「運転を続けること」が外出機会を生み、心身の健康維持(フレイル予防)に直結していることを強く実感しました。

認知機能検査を体験し、運転継続のための課題に触れる

今回の参加で、私たちが「第三期」と位置付けている段階に含まれる「認知機能検査」を実際に体験しました。この検査は、75歳以上のドライバーが運転免許を更新する際に受けるものです。特に近年は制度が厳格化されており、2022年の法改正以降、過去3年間に一定の違反歴がある方は「運転技能検査(実車試験)」の合格も必須となるなど、運転継続のハードルは年々高まっています。これらをクリアして初めて高齢者講習へと進めるため、ドライバーにとっては心理的にも物理的にも非常に緊張感のあるステップとなります。

記憶力を試す「手がかり再生」と認知症の兆候

認知機能検査にはさまざまな項目が含まれていますが、その中でも「手がかり再生(イラストの記憶)」という短期記憶を調べる項目が非常に印象的でした。1セット4個のイラストを4セット、計16個を記憶し、介入課題(別の作業)を挟んだ後に何が描かれていたかを回答する内容で、認知症の初期兆候である短期記憶低下を確認する意図があります。

実際に体験してみると、後半に覚えたイラストは比較的思い出しやすいのですが、前半に覚えたものは記憶が薄れ、「ヒントなし」の自由回答でもなかなか思い出せませんでした。この「思い出せない」という感覚こそが、多くの高齢ドライバーが抱く「自分はまだ大丈夫だろうか」という不安の正体だと感じます。「手がかり再生」の結果と「時間の見当識(年月日・時間の認識)」を組み合わせた複合判定が行われますが、この検査を「合格・不合格の関門」として恐れるのではなく、自分の現在の状態を客観的に把握し、今後のカーライフを考えるための機会と捉えることが大切です。

「第三期」の壁を越えるために、まず「第二期」の合意形成を

認知機能検査のような「第三期」のステップを経験すると、運転を続けるためにクリアしなければならないハードルが見えてきます。しかし、検査当日に過度な不安やプレッシャーを感じずに臨むためには、その前段階である「第二期」における準備を丁寧に行っておくことが不可欠です。

「もし検査結果が思わしくなかったらどうするか」「次の更新まではどのような条件で運転するか」といった代替案やルールを家族と事前に話し合い、お互いが納得していれば、高齢ドライバーも憂いなく、落ち着いて検査に臨むことができます。事前の備えがあるからこそ、免許更新後も前向きな心構えで運転を継続できます。

「検査に通るための一時的な対策」に終始するのではなく、家族の理解と協力を得た上でDCP(運転継続計画)に基づき「第三期」の課題に取り組むこと。それこそが、高齢ドライバーにとっても家族にとっても真の安心・安全なドライブを実現する鍵となるでしょう。

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