3Dカードに関するみなさんの疑問に回答します(第1回:意味を確認する編)

HOME » ブログ » 3Dカードに関するみなさんの疑問に回答します(第1回:意味を確認する編)

高齢ドライバーによる交通事故のニュースが毎日のように報じられています。社会の関心はドライバーの「身体能力の衰え」や「認知機能の低下」に集中しており、解決策として「免許返納」を促すのが主流となっています。その反面、高齢ドライバー自身の「生活面での車の必要性」や「運転に対する欲求」に関する議論が置き去りにされているという現実があります。

私が開発した「3Dカード(Driver’s Desire Discover Card)」は、そのような高齢ドライバーにとっての救世主として現れ「これまで通り運転を続けさせてあげる」という「魔法の杖」ではありません。しかし「もし、運転を続けたいという『強い希望』があるなら、安全運転をするための一定の条件をクリアしましょう、そうすれば、道が開けるかもしれません」というチャンスを作ることができる、と考えています。

その条件とは、「安全に運転」をするために必要となるすべてのことを洗い出し、それらを習慣化して実行すること。それができれば、事故の心配は低くなるし、運転に反対する家族等を説得できるかもしれません。口で言うのは簡単なことですが、実際に実行するのは難しいこと。でも運転が「自分のやりたいこと、達成したいこと」なら、そのために必ずやり遂げられるはずです。その目標を発見し、言語化するのが「3Dカード」なのです。

今回は、3Dカードに関して、これまでにお寄せいただいたご質問に、5回に分けて回答する形でその真意を明らかにしていこうと思います。今回はその第1回目となります。これまでブログ等で説明させていただいた内容も含まれておりますが、「少し難しくてよく理解できなかった」というお声や疑問に回答させていただきます。できるだけシンプルに本質部分をお伝えしようと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

4つの疑問とその回答

①なぜカードを使った「遊び」で「運転の目標」がわかるのか?

質問:
なぜ、「カード」を使った「遊び」のような行為で本人さえ自覚していないような「運転でやりたいこと(目標)」や「運転で達成したいこと」が発見できる、と言えるのか?

回答:
人は評価されるような『検査』では身構えますが、『遊び』では本音を出しやすいからです。

解説:
運転に関してよく使われる「検査」という手法は、「模範解答」を出そうとしたり「高得点」を狙おうとする一種の防衛本能が働きます。一方、3Dカードは直感的にカードを「選ぶ」だけ、という心理的ハードルの低い、単純な動作に徹しています。この動作が、潜在意識にある「まだ家族を乗せて楽しい思い出を作りたい」「運転で世の中の役に立つような貢献がしたい」といった欲求を引き出すことができるのです。事実、これまでのアンケートでも7割超の利用者が3Dカードで運転の目的を発見できた、と回答しています。

②従来の適性検査と何が決定的に違うのか?

質問:
カード名にある「3D」とは何を意味するのかも気になるが、そもそも、高齢ドライバー用に実施してきた「検査」とは何が違うのか?

回答:
「できる・できない(能力)」を測るのではなく、「どうしたい(意志)」を可視化する点です。

解説:
「3D」とは、Driver’s Desire Discover(ドライバーの欲求を発見する)の略です。従来の検査は反射神経などの「能力」を数値化し、適/不適などを判定していました。しかし、事故を防ぐために本当に重要なのは能力の高さだけではなく、「自分の現状を自覚し、安全のために何が必要か考えて実行する」という意志の力です。3Dカードは、その意志の根源である「こんな運転がしたい」というすべてのドライバーが持つ内面の目標を発見するお手伝いをします。

③結局、目標を発見しただけで終わってしまうのではないか?

質問:
3Dカードでその人の意志(運転の目標)がわかったところで、結局は安全運転を左右するのは本人次第ではないか?一度使用したら、それで終わりになってしまわないか?

回答:
カードの使用はゴールではなく、「自律的な安全運転」を開始するためのスタート地点と考えています。

解説:
3Dカードが単なる「気付き」で終わってしまえば、事故は防げません。3Dカードが真価を発揮するのは、その後の行動です。自分の意志を確認できたドライバーには、その目標を達成するための「戦略」や「計画」が必要になります。誰かに押し付けられたルールは続きませんが、「自分の意志を叶えるために自分で考え、決めたこと(自己決定)」であれば、人は行動を変えられます。カードの使用という時間的に「点」の体験を、継続的な努力という「線」に変えていく。3Dカードの使用はその長い道のりを歩みはじめるためのきっかけづくりであり、その後の行動に結びつけることをめざします。

④これまでの交通安全教育をどう変革するのか?

質問:
3Dカードが普及することで、これまでの「交通安全教育」がどう変わるのか?

回答:
『教える・教わる』の関係から、『共に安全を創る』パートナーシップへと進化します。

解説:
これまでの交通安全教育は、警察や指導員が「正しい知識」を一方的に教えるスタイルでした。しかし、それを教わる人の運転に対する思いは千差万別であり、一律の教育(レディーメイド)では全員の意識を変えることは困難です。3Dカードは「オーダーメード」による手法が基本であり、十人いれば十人がそれぞれの考え方で自分の運転について振り返ることになります。ここで指導員は「ティーチャー(先生)」ではなく、目標達成を支える「コーチ」になります。ドライバー一人ひとりの考えを尊重し、自分自身との対話を通じて安全運転について考える。この「心を通わせる対話」が、これまでの指導にはなかった心を動かす交通安全教育になると考えています。

問いに向き合う勇気が、安全を創る

今回、あえて質問に極力「単純化」して回答しようと考えました。それは、3Dカードの本質が、小難しい理論の先にあるのではなく、ドライバー一人ひとりの「思い」に寄り添いたい、という極めてシンプルな考え方にあるからです。

「分からない」という問いに一つひとつに誠実に、かつ明確に答えていく。その積み重ねが、高齢者ドライバーとその家族、そして社会全体の不安を解消する唯一の道だと信じています。

次回は、この3Dカードに関するさまざまな「根拠」を深掘りしていきます。

類似投稿