車種によりアクセルとブレーキの位置が多少異なる?!不勉強だったので調査・考察してみました

今年3月に立川で開催された東京都生活文化スポーツ局主催の高齢ドライバー交通安全セミナーが、多くの応募者を集め盛況だったようです。その模様はYouTubeでも公開されており、高齢になっても安全に運転を続けたいというニーズの高さが窺えました。

動画の中では、高齢者安全運転支援研究会による講義の内容も見ることができ、参加者の皆さんが熱心に耳を傾けている様子がこちら側にも伝わってきました。その講義のなかで「アクセルペダルとブレーキペダルの位置は車種により若干異なり、コンパクトカーだと左寄りに設置されていることがある」という情報に興味を持ち、少し調べてみることにしました。

ペダル配置に関する情報

これまで普通乗用車からトラック、バケット車等の特殊車両に至るまで、様々な車種を運転してきた自らの経験から、ペダルの配置位置に車両ごとの差分感や違和感等を持ったことはなく、どれも同じだろうと考えていました。しかし、インターネットなどで調べてみると、この点について多くの指摘や意見があることがわかりました。

幅広い年齢層のドライバーに人気がある車種では、ブレーキペダルが車体設計上の理由から全体的に左寄りに配置されているものもある、という情報も多数見つかりました。そのため、マニュアル車や他のメーカーの車から乗り換えた人の中には、ペダル配置に違和感を覚える方も少なくなく、慣れるまで時間を要するという声も上がっていました。実際、その車種のブレーキペダルは右足の中心よりもかなり左に寄っており、アクセルペダルとの間隔が狭い設計になっているようです。

私が免許取得前に友人宅の庭を利用して練習をしていた際、アクセルとブレーキを踏み間違えて植え込みに突っ込んだ話は以前のブログでも紹介しました。その時頭の中では「ブレーキを踏んでいるはずなのに、なぜ加速するんだ?車の故障か!」と勝手に思い込み、自分が誤操作しているとは全く感じていませんでした。多くの場合、アクセルとブレーキを踏み間違えた当の本人は、ブレーキを踏んでいるつもりでアクセルを踏んでいるのだと思います。

安全思想からの考察

高齢ドライバーによるアクセルとブレーキの踏み間違い事故が多発していることが、社会的な問題として指摘されています。事故原因の一つとして、「ペダルレイアウトの違和感」が挙げられ、右足を一番使いやすい位置にアクセルペダルがあると、ブレーキを踏む際に足を内(左)側にひねる必要があり、高齢者にとっては負担が大きいという意見もあります。

安全思想的に考えると、最も操作しやすい位置、特にパニックになった際に無意識に踏み込む可能性の高い場所にブレーキペダルを配置すべきだと考えます。スキーでも最初に学ぶのは「止まり方」であり、車についても、動かし方の前に止め方が基本だと思います。

アクセルは、ブレーキよりも「操作している感」があり、使う頻度も高いと思いますので、体力的・感覚的に扱いやすい位置に配置する、という考え方もなくはないと思います。しかし、運転中はハンドルもあり、自分の足元を常に見ながら確認して運転している訳でもないので、私のようにアクセルとブレーキを間違って操作してしまった経験者からいうと、人間が無意識に踏み込む可能性のある場所にブレーキ、意識して踏み込む場所にアクセルを配置するのが理にかなっていると考えます。

踏み間違いのリスク低減に力を入れているある自動車メーカーでは、「右足を自然に前に出した位置にペダルを配置」することで、安全性を高めていることも今回知りました。

まとめ

今回の調査と自身の過去の経験から、ペダル配置は車種ごとの設計思想等により多少異なる、という事実を遅ればせながら確認できました。そのため、車種によっては、ブレーキペダルが他の車種よりもやや左寄りに配置されていたり、アクセルとの間隔が狭い設計になっているものも存在する、ということもわかりました。

このレイアウトが、「ブレーキを踏んだつもりで実際にはアクセルを踏む」という踏み間違いのリスクを高めている可能性は十分に考えられると感じました。特に高齢ドライバーにとっては車種によるペダル配置の構造的な違いが、踏み間違い事故等の操作上のミスに何らかつながっているかもしれません。

ですから、普段乗り慣れている車であっても、改めてペダルの位置や操作感覚を確認し、緊急時にも対応できるよう意識・訓練しておくことが重要だと思います。また、初めて運転する車やレンタカーなどを運転する際には、特に慎重な操作を心がける必要があるでしょう。私自身、足元を目視で事前確認する、という行為を実施した経験はこれまでほとんどありませんでしたが、運転前に足元の状態や常に正しいペダルを踏んでいるかを意識・確認することが、安全運転に繋がることを改めて認識しました。

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