運転の「希望」を潜在意識から掘り起こす 目標と現状、その二つの性質から見えてきたこと

目標と現状のギャップの図

以前のブログで、運転に関する目標設定を支援するツールを開発していることについてご紹介しました。人間はとかく目標設定を苦手とする傾向があるらしく、この苦手意識を乗り越えるためのツールに出会うことができました。このツールを高齢ドライバーの安全運転のために応用する、というアイデアは多くの方々から興味と関心を集め、大変好評をいただいています。しかし、まだまだ具体的な内容のさらなるブラッシュアップが必要であり、現在その作業を進めているところです。

そんな折、この発想が目標設定だけでなく、「現状把握」にも応用できるのではないかという貴重なアドバイスをいただきました。運転における現状把握もまた人間にとって困難な作業である、と聞いたことがある私たちにとって、この助言は当初「なるほど」と感じるものでした。しかし、冷静に考えると目標と現状の間には本質的な性質の違いがあるのではないか、という疑問が浮かび上がってきました。

目標の抽象性と現状の具体性 認識の「レベル差」

まず、私たちが考えたのは、目標と現状の根本的な違いです。目標はまだ達成されていない未来の理想像を指します。その性質上、漠然としていますが、この漠然さこそが、ある意味で目標間の「レベル差が小さい」、つまりどの目標も「これから」という点で比較的均一に扱える特性をがあります。だからこそ、「〇〇したい」という希望をカードとして並べ、そこから究極の選択を通じて絞り込むという手法が有効に機能します。

一方、現状は、今まさに存在する現在や過去の具体的な事実の集まりです。その要素は多岐にわたり、人によって状況は千差万別です。この多様性ゆえに「レベル差が大きく」なりがちです。このような多岐にわたる具体的な「レベル差」を、枚数に制約のあるカードという形式で簡潔かつ網羅的に表現することは、非常に難しいと感じています。

現状をカード化して掘り起こす価値はもちろんありますが、その根底にあるアナログ的な要素や多様性を考慮すると、単にカードに落とし込むだけでは、現状の複雑さを捉えきれないのではないか、という結論に至りました。しかし、この気づきは決してネガティブなものではありません。むしろ、このアイデアは形を変え、それぞれの特性に合わせたアプローチで将来実現することにより、より面白い展開が期待できるという大きなヒントになりました。

「究極の選択」が引き出す本音 ツールの評判の背景

さて、現在開発中の目標設定ツールがなぜこれほどまでに好評を博しているのでしょうか。これまでの自己分析や目標設定の手法として一般的なのは、質問形式のアンケートに回答することで、個人の特徴や目標を浮き彫りにするというものだったと思います。もちろんこの方法は常套手段であり、効果的な側面もあります。しかし、私たちが開発しているツールが持つ、従来の手法にはない決定的な要素は、「究極の選択」という行為にあると感じています。

かつて、テレビなどで「究極の選択」という遊びが流行しました。簡単に選べない二つの選択肢を真剣に悩み抜いて、最終的に一つを選ぶ。そして、選んだ選択肢の内容に限らず、なぜそれを選んだのかという理由を語り合うことで、その人の真の人間性や思考回路が垣間見えたものです。この「究極の選択」は、質問された側が頭をフル回転させ、自身の奥底に眠っていた潜在意識を呼び覚ます、まさに「眠った意識への刺激」が非常に効果的に実施できる方法です。これが、このツールの評判がいい理由だと考えています。

私自身も会社員時代、有名企業の社長さまと意見交換する機会をいただくことがありました。その際、教科書的な模範解答ではなく、その方の本音や人間性を深く知るため、あえて「トレードオフの状態」で究極の選択的な判断をどのように下されたのか、といった質問を何度かさせていただいたことを思い出しました。この経験からも、「究極の選択」が人の本質を引き出す強力な触媒となることを実感しています。

デジタル化の夢と目標達成がもたらす生きる原動力

現在、運転に関する目標を考えるツールを開発していますが、「いまどきカードですか?」という批判の声が私たちの心の中からも聞こえてきました。確かにデジタル化が進む現代において、ツールのデジタル化はもはや暗黙の了解とも言えるでしょう。また「カードだけではゲーム的要素という点でやや面白みに欠ける」といったアドバイスもいただいています。もし、デジタル化した際に、選ばれたカードから「あなたの運転の特徴は〇〇です」といった性格診断的な要素が加われば、利用者の増加にも繋がるかもしれません。

デジタル化には多額の費用がかかるため、まだこれらを実現することができない状態にあります。しかし、現状のカードツールでノウハウを蓄積しながら、将来的なデジタル化を夢として掲げることは、私たちにとって大きな目標であり、達成したいと願う発奮材料となります。

大リーグで活躍している大谷選手が、明確な目標を掲げ、それを「マンダラチャート(オープンウインドウ64)」にまとめ、日々実践してきたことが、現在の驚異的な活躍に繋がっているのは有名な話です。私たちもこの事例から学び、明確な目標を掲げ、それを達成するための具体的な計画を立て、着実に実行すること。これこそが、目標や夢を実現する一番の近道であり、そして何より、私たち一人ひとりが人間として「いきいきと生きる原動力になる」と感じています。

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