人とくるまのテクノロジー展2025への参加と自動車市場を縮小させてはいけない、との決意

5月21日(水)~23日(金)に横浜のパシフィコ横浜で実施された「人とくるまのテクノロジー展2025」に足を運び、情報収集をしてきました。
昨年に引き続き、今年も参加しましたが、昨年同様にとても盛況で、私が訪れたのは最終日だったにも関わらず、非常に多くの方が参加していて、その熱量たるや半端ない、と感じるほどでした。
また、私が不勉強で今まで存じ上げなかった会社も数多く知ることができ、改めてたくさんの方々が自動車関連産業に関わり、市場を支えているんだ、ということを実感しました。
トレンドは「環境対策」「自動運転」「AI・DX」
会場を一通り見た印象を私の”独断と偏見”で申し上げると、今どきの自動車関連産業のトレンドを3つの言葉で表現すると、「環境対策」「自動運転」「AI・DX」だったかな、と感じました。
「環境対策」は、電気自動車だけではなく水素自動車関連の情報も多く、それ以外にも自動車の計画段階から廃棄まで環境を考える、というテーマが多かったように感じました。
「自動運転」も、近未来を予感させ、今一番技術が発展していて、世間の関心も高い内容だけに、多くの方が訪れていたように感じました。
また、「AI・DX」を自動車の世界に取り入れていこう、という展示も多数あり「こんな使い方があるのか!」と感心させられる内容ばかりでした。そして、自動車産業が大きな変革期を迎えている、ということも実感することができました。
「安心と安全」に関する注目の展示事例
常々、展示会を訪問する際は、効率よく情報収集したいと考えていて、そのために毎回テーマを決めています。今回選んだテーマは「安心・安全」としました。その中で、今回特に印象に残った3つの事例をご紹介したいと思います。
一つ目は、日本プラスト社が展示していた自動運転対応の次世代ハンドル(以下「四角いハンドル」と表記します)です。この四角いハンドルは、ダッシュボードを見る際に、従来の丸いハンドルだとその上部が視界を遮ってしまう、という課題を解決するために考案されたとのことでした。四角い形状にすることで、より広い視界を確保し、運転中の安全性を高めることができるそうです。また、エアバッグが展開する際、四角いハンドルはその形状からエアバッグがスムーズに展開するのを助ける設計になっているとのこと。そして、将来的に自動運転技術が普及し、手動運転が必要ない場面ではハンドルを格納する必要があり、四角い形状の方が格納しやすいという利点もある、とのことでした。
ただ、ちょっと心配なのが、丸いハンドルでの操作に慣れているドライバーが、急に四角いハンドルに切り替えた場合(その逆も)、ハンドルの回転量に対する車の動きの感覚が異なるため、慣れるまでの間に注意が必要になる可能性がある、と感じました。
また、四角いハンドルは飛行機の操縦桿などでも使われていますが、車の運転だと「切り返し」などで大きくハンドルを切ることがあり、飛行機ではほとんどみられない操作のため、四角いハンドルの導入に向けた、さらなる開発に期待したいと思いました。
二つ目は、データ・テック社の「SAFETY REC」というサービスです。高齢ドライバーの運転継続を支援する私たちにとって、運転継続計画を作成した後、実際にどのように安心かつ安全な運転を続けてもらうか、そしてそれをどのように確認するかが大きな課題でした。
特に、高齢のドライバーと離れて暮らすことが多いご家族にとっては、高齢ドライバーが計画通りに安全運転ができているのかは常に心配だと思います。これまで、損害保険会社などが無料で提供するスマートフォンアプリで、運転状況を評価することも考えましたが、著作権の問題等、いくつかの課題がありました。
今回出会ったデータ・テック社の「SAFETY REC」は、運転データを記録・分析し、その結果を家族とも共有できるというもので、まさに私たちが求めていた機能を持っていると感じました。これにより、運転継続計画の内容の実施状況を可視化し、高齢ドライバーとご家族双方の安心に繋げられると期待しています。今後さらに詳しく情報を収集し、私たちの支援活動にどのように活用できるかを検討していきたいと考えています。
三つ目は、ホンダのブースです。多くの自動車メーカーが最新技術やコンセプトカーを展示する中で、ホンダは安全に関する技術や取り組みを前面にアピールしていました。「2050年に全世界でHondaの二輪車、四輪車が関与する交通事故死者ゼロを目指す」という壮大な目標を掲げていることもその背景にあるのだと思います。
他の自動車メーカーも、それぞれの形で安全技術の開発や製品への搭載を進めていると思いますが、ホンダのように明確な目標を掲げ、それを今回の展示会でも前面に打ち出してアピールしている姿勢に改めて感銘を受けました。
自動運転技術の進化も重要ですが、人間のミスをいかにして減らし、事故を未然に防ぐことができるかという点も自動車メーカーにとって共通の重要なテーマだと思います。今後も各メーカーが様々なアプローチで「安心・安全」のための技術を提供してくれると思いますので、それらを高齢ドライバーの運転に積極的に活用して、これからも安全運転を実現に寄与していきたい、と感じました。
まとめ
今回の「人とくるまのテクノロジー展2025」では様々な情報収集を行うことができました。運転継続計画の作成や、その後の安全運転の継続を支援するための製品・サービスとの新たな出会いがあり、今後の活動に活かしていきたいと感じました。
今回の展示会参加でも私が見落とした情報や、理解が及ばなかった内容もあったと思いますが、今後も継続的に情報収集を行い、免許保有者の減少や海外の動向等に伴う市場の縮小が心配な状況を抑制し、活気ある自動車市場の発展に少しでも貢献できるよう努めていきたいと思います。