「やりたい!」という目標設定がもたらす驚異的な力 これを運転寿命延伸の原動力に!

最近よくテレビを見ていて、すごいなあ、と感心してしまうのは事業で成功された方々の話です。よくあるのが、様々な事情で膨大な借金を抱えてしまったが、無事に返済し、今では莫大な利益も生んでいる、というパターンです。借金が途方もない金額であるにもかかわらず、返済を成し遂げられたのは、「返済額」という明確なゴールがあったからなのかなあ、と考えています。それがなければ私だったら少しでも手元にお金があるとつい使ってしまい、なかなか返済ができなかったと思います。「明確な目標」があるからこそ、人は力が湧き、意欲が高まり、困難なことでも達成できる、ということの証拠だと思います。
このことを車の運転で考えてみたいと思います。車を運転する、という行為は、「目的」か「手段」か、と問われた場合、多くの人は後者、つまり「手段」と回答すると思います。仕事や趣味に目標を持つ人が多いかもしれませんが、バスや電車に乗るのに目標を考える人はあまり聞いたことがありません。つまり、手段に目標を立てる、という人はほとんどいないと思います。それは、運転自体に目的を考えなくてもできてしまう「手段」だからです。しかし、「手段」と捉えられがちな運転の寿命を延ばしたいと願った瞬間、車の運転そのものが目的や目標へと昇華し、あなたが「どうしたいのか」「何をめざすのか」という目標として考える必要性が生じます。
そして車の運転に関する目標を考えて気付くのが、目標と現実の間になんだかギャップがありそうだ、ということです。このギャップに気付くことは、悪いことではなく、むしろ変化への第一歩となります。心理学の研究では、人は目標と現実の間にギャップがあることを認識すると、そのギャップを埋めようとする心理が働くとされています(出典:Kurt Lewinの「場の理論」やLeon Festingerの「認知的不協和理論」による、目標と現状の間にギャップがある場合に心理的な不快感が生じ、それを解消しようとする動機付けが生まれるという考え方)。つまり、運転寿命を延伸したい、という目標を立てることで事態を前進させることができる、ということです。
「できること」と「やりたいこと」の間に潜む壁
目標と現実は簡単な言葉に直すと「やりたいこと」と「できること」という言い方になると思います。どちらも自分自身のことだから簡単に考えられると思われがちで、多くの人が「できること」はすぐに挙げる傾向があるようです。その結果、「できること」に焦点を当ててギャップを解消しようとしがちです。
しかし、ここに落とし穴があります。人間は自分自身について、驚くほど理解していないという調査結果があるそうです。人は自分のことを認識しているのがわずか数%に過ぎない、ということを最近知りました(出典:五十嵐和也著「あなたの先生ビジネスは絶対儲かる」(秀和システム)P104「人間は、自分のことを、わずか4%しか理解していないという調査結果もある」より)。これは、自分自身に関する事実や情報を発見することが、いかに難しいかを示しています。また仮に「できること」がわかったとして、それにだけ基づいてギャップを解消しようとすると、短期的には実行可能かもしれませんが、やがて「やらされ感」が募って、モチベーションの維持が困難になるケースが多々あると想定しています。
一方で、「やりたいこと」を考えるのは「できること」を考えるよりももっと難しい傾向があるそうです。
内なる声に耳を傾け、原動力を見出す
では、「やりたいこと」を見つけるためにはどうすれば良いのでしょうか。その鍵は、自分自身の「内なる声」に徹底的に耳を傾けることにあります。現役時代には、上司という「良否の判断者」がいましたが、それがなくなると自分の言動や方向性を正してくれる判断者がいません。そうなると、頼るべきは自分自身の「内なる声」となります。
自分自身の「内なる声」にしっかり耳を傾け、それに従うことは結果的に本人のモチベーションの源泉となります。このことは、スティーブ・ジョブズが2005年6月にスタンフォード大学の卒業式で行ったスピーチでも強調されています。彼は、「あなたの時間は限られている。だから、他人の人生を生きることで無駄にしてはいけない。ドグマ(既成概念や他人が作り上げた固定観念、あるいは盲目的に信じられている規則や慣習)にとらわれてはいけない。それは他人の考えの結果に生きることだ。他人の意見の騒音に、あなた自身の内なる声、心、直感をかき消されないようにしなさい。それらは、あなたが本当に何になりたいかを知っている。それ以外のことは二の次だ」と述べています。
また、目標を持っている人は、その目標が自然と日々の言動や行動に現れます。例えば、目標達成への強い意欲を持つ人は、その目標に向かって自律的に行動し、必要なスキルや知識を積極的に習得しようとします(出典1:Locke, E. A., & Latham, G. P. 「目標設定理論」は、明確で挑戦的な目標がパフォーマンス向上につながり、目標を持つことが個人の行動や努力に影響を与えるとの考え方 出典2:Bandura, A. 「自己効力感の理論」は目標達成への信念が行動や努力の持続に影響を与え、目的意識が高いほど、自己効力感も高まり、行動に現れやすくなるとの考え方)。
ですから、運転寿命を延伸したい、という目標は中長期的な取り組みとなるので、多少難しさがありますが、「内なる声」をもとに「やりたいこと」をしっかり考えて実行することが重要となります。この「やりたいこと」を見つけるプロセスこそが、運転寿命を延伸する際の強力な原動力となります。
「やりたい」を「目標」に昇華させる
運転寿命を延伸したいという願いは、多くの方にとって切実なものです。それを実現するために「できること」をだけを考えて実行しても、中長期的なモチベーションの維持は困難です。そのためには「やりたいこと」を考慮すること、それが物事を継続するためのエネルギーになります。私たちが提案する運転継続計画は、この「やりたいこと」という要素を明確に組み込むことで、これまでの手法とは一線を画しています。現状を把握する、計画を立ててみるという「点」だけでなく、その計画を実行し、進捗を確認するという「線」の要素を重視することで、本当の意味での運転寿命の延伸実現を目指します。
運転で「やりたいこと」を明確に描くこと。そして、その「やりたいこと」を追求するために、自分自身の内なる声に徹底的に耳を傾けること。これこそが、運転寿命の延伸を加速させるための強力な原動力となります。私たちは、この「やりたいこと」を見つけるための具体的な方法についても引き続き検討していきたいと考えています。